友人おすすめのラーメン屋が不味かった話

私は大学2年の19歳。この代は「悪魔の代」と呼ぶにふさわしく、悲惨な大学生活を送ってる方が大半だろう。私も例に漏れず、その一人である。 しかし、今学期から語学の対面授業が開始され、帰りが同じ方面の友人が一人できた。彼をK君と呼ぼう。授業も残り半分に差し掛かり、K君とも打ち解けたので、自然と授業後にご飯に行くようになった。 そんなある日、事件は起こった。先週の水曜日、いつものようにご飯に行くことになったが生憎K君の財布には小銭しかなく、安く済むラーメンに行くことになった。しかし私は上京組のため土地勘がなく、おすすめのラーメン屋などというものはない。対してK君は元々キャンパスの近くに住んでいたこともあっておすすめのラーメン屋があると言う。自然な流れで彼のおすすめのお店に行くことになった。そしてこれはお店にむかう電車での会話だが、彼曰く、「一風堂の安い版でとても美味しくて、いつも自分以外の客がいなくて最高の店」らしい。前半は確かに最高だが、後半は怪しい。私はK君に、「それ本当に美味しい?Kが味音痴の可能性ない?」と確認をした。するとK君は自信満々に、「俺のお腹を見てみろ、不味いわけないだろ」と意味不明な返答をした。デブという言葉をポジティブな文脈で使われたのは初めてだ。そんなこんなで、ようやくお店に着いた頃には20時を超えていて、私のお腹は限界を迎えていた。いざ入店。K君の言っていた通り客は居ない。20時を過ぎたラーメン屋、まあまあ名の知れた駅から徒歩2分。かなり珍しいものを見れたという気持ちで席に着いた。そしてK君おすすめのチャーシュー麺を頼み、到着を待つ。私の脳内は不安で溢れていた。クラスの可愛い子の話をしながら、脳の8割は不安で占領されていた。そんなこんなで5分が経過しラーメンが来た。とても美味しそうである。人の良さそうなK君もニコニコしながらこっちを見ている。反応してほしいのだろう。私は「美味しそうだね!頂きます!」と言い、麺をすすった。すすった後、K君はここでもニコニコしながらこっちを見ている。ここでの模範解答は間違いなく、「言ってた通りめっちゃ美味しいね!流石!」である。しかし、私はその言葉を言うことが出来なかった。苦かったのだ、ラーメンが。そんなことあるかと思った人が多いと思うが、私も未だに信じられない。私は5秒黙り込んでしまったが、彼の表情を見てやばいと思ったのか「美味しいね(棒)」とだけ言った。人生で初めて“不味い”ラーメンというものに出会えて、ある種の感動を覚えていた。まあこんな長々と書いたが、私からすれば電車の会話の時点で予想していたことが現実に起きただけだ。大して辛くない。味音痴のデブも居るということを知れただけでも800円の価値はあったのかもしれない。そして自分が、友人のおすすめのラーメン屋が不味くても美味しいね(棒)と言えるくらいには出来た人間であると知ることもできた。 ありがとう、K君、そして"不味い"ラーメン屋!
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