【同性婚訴訟】初めて裁判を傍聴しました

2022年12月1日 15:50
昨日、初めて裁判傍聴してきました。タイトルにもある通り、同性婚訴訟の裁判でした。私の思考の整理と、こんなことが起こっていた!をみなさんにシェアするために書いています。(かなり長くなる予定です) また、私は物理学専攻のバリバリの理系で法の知識は大学教養レベルです。なので法に明るいDtto民の方、間違っていたらご指摘お願いします🙇
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【争点】 同性婚を認めていない民法が、 ①憲法24条1項、および2項に違反しているか ②憲法14条1項に違反しているかどうか これらを鑑み国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるか 扱われる憲法及び法律(wikiより引用) ・憲法24条(家族関係における個人の尊厳と両性の平等) 1. 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。 2. 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。 ・憲法14条1項(法の下の平等) 1. すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。 ・国家賠償法1条1項 1. 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。 【結論】 判決:原告の訴えを全て退ける 「同性婚を認めていない民法は憲法24条1項、および2項、憲法14条1項に違反しているとは言えない。よって国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けない。」 ただ! 「同性愛者がパートナーとなり家族になるための法制度が存在しないことは、同性愛者の*人格的生存に関する重大な脅威、障害であり、個人の尊厳に対して合理的な理由があるとはえず、憲法24条2項に違反する状態であるといえる。」 →この部分がニュースで取り上げられている「*違憲状態」 「同性婚に関する法制度を構築する方法は、立法府の裁量に委ねられる」 *人格的生存 ・食べる・寝るなどの生物学的営み以外に、人間が人間として文化的に生活していくために必要なことを指す *違憲と違憲状態 ・「違憲」は、憲法や法律の条文のここが違反していることを指す。違反している箇所を修正すれば合憲とみなされる。対して「違憲状態」とは、対象となる法律が存在していないことが違憲である状態。そもそも存在していないから、「違憲」と判断は下せない。違いを簡単にまとめると、「違憲」の対象は憲法や法律の条文、「違憲状態」は対象となる法律が存在していないこと。 【認められなかったこと】 ①憲法24条1項の「婚姻」に同性間も含まれるという解釈ができる <理由> ・条文中にある「両性」や「夫婦」は、生物学的な「男性」「女性」を指す。 ・「婚姻」は社会通念に従って婚姻とみなされる関係、社会的に承認を与えられた関係であり、憲法制定時は、同性間の婚姻の議論すらないので「婚姻」は男女間のことを指す。 ・男女が性的結合関係によって、子孫を残し主の保存してきた歴史的背景。それを国家が伝統的に承認を与えて、次の世代につながってきたという社会とって重要かつ不可欠な役割を「婚姻」が果たしてきた事実を否定できない ・近年では、同性婚賛成が増え、反対派は減ってきているものの、未だ一定数は反対している。反対派の主張は、伝統的価値観(男女が結婚→子供を育てる→次の世代につたえるという人間の古くからの営み)に基づいたものであり、これらを一方的に排除できない <モヤモヤしたこと> ・伝統的価値観に基づいて、反対派を擁護するような判断も含まれていたこと。司法がマイノリティの権利を保護しなかったら、誰が守るの? ・同性婚は「婚姻」が果たしてきた役割を否定するものじゃない。 ②憲法14条1項に違反する <理由> ・性別という理由だけで異性愛者と違って、同性愛者が婚姻制度全体を利用できないことは当事者が不利益を受けているといえるが、憲法24条1項は先に述べた通り、異性間の婚姻について述べたものである。 ・憲法24条1項は、上述のとおり伝統的価値観・社会的通念を前提としているので、区別取扱には合理的根拠がある <モヤモヤしたこと> ・また伝統…価値観の変化に応じて、変えていこうよ 【認められたこと】 同性愛者がパートナーと家族となるための法制度が存在しないことは、憲法24条2項に違反する状態 (これが裁判官の口から出た時、法廷中が静かにざわつきました) <理由> ・憲法24条1項は、同性婚を禁止するものではない ・婚姻は、法的保護と社会的承認を当該当事者に与えるものであり、当該当事者の人生に充実をもたらす極めて意義のある制度 ・婚姻に生じる利益は、個人の尊厳に関わる人格利益であり、同性愛者も異性愛者にとっても変わらない ・同性愛者がパートナーと家族となりたいと希望してもなれない現状は、同性愛者の人格的生存に関する重大な脅威、障害である ・同性間とパートナーとなり家族となる制度は、前述の婚姻に関する伝統的価値観と両立しうる ・上記のような制度は、同性間の人的結合を強め、その中で養育される子を含めた共同生活を安定させるものであり、これは社会基盤の強化と安定につながる。 <前進したこと> ・裁判所が「憲法24条1項は、同性婚を禁止するものではない」とはっきり述べたこと。これにより、同性婚をするために憲法24条1項を改正する必要もなく、そのような議論すら誤りである。 ・裁判所が、LGBTQIA+の家族が「子供を育てる」ことに言及した(認めた)点。これはニュースではあまり取り上げられていないけど、当事者にとっては大きな前進 ・何よりも、裁判所が同性婚に関する法制度が存在しないことは、違憲状態と判断を下したこと。 以上。
愛心
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