設立:2003年4月 上場:同時期
6大総合商社の一角を担う会社。03年に日商岩井とニチメンが統合されたことでも有名である。自動車や航空、肥料などに強みを持っており、持分では鉄鋼やLNG(液化天然ガスのこと)も保持している。金属26、化学25、生活14、リテール12など比較的満遍なく事業を広げている。また、海外売上は54と高く、この値は他の総合商社と比べても高い値である。
ちなみにこの総合商社は現在でも20人弱の事務職採用を続けている数少ない会社であり、テストセンターでの受験に加え、筆記試験(詳細は不明)もあるため、かなり難易度が高いうえ、一般職に応募する人が多い一方で枠が減っていっている(丸紅などが一般職などの採用を辞めたなど)ため、人が今まで以上に殺到する可能性がある。
企業理念:New Way, New Value(誠実な心で世界を結び、新たな価値と豊かな未来を創造)
→強い個を活かす組織力をもとに創造性を発揮し、すべてのステークホルダーに貢献するための行動指針としている。このことから社員一人一人が自由な発想を有し、新たな価値提供を行っていく意思表明とそれに対する熱い思いを大切にしていることがわかる。
1.確かな信頼を築く
2.将来を見据え、創意工夫をする
3.スピードを追及する
4.リスクを見極め、挑戦する
5.強固な意志でやり遂げる
名前の由来:双日の「双」という字はお客様や社会と当社グループとの固いパートナーシップを表しており、「日」という字は太陽のようなエネルギーに満ちた企業を実現する意思が示されている。そして、お客様や社会と共に成長し、輝かしい未来を実現していこうという熱意も込められている。
求められる人物像:世の中やお客様のニーズの「1歩先」を常に考え、新しい価値や機能の創造にチャレンジしていく人
→企業理念にもあるようにこの会社では社員一人一人がこれまでの常識にとらわれず、自由な発想で新たな価値を社会に実現していく、という想いが込められており、それに伴って、自発的に考え、行動し、最後まで何としてでもやり遂げることで世界に価値提供をしていきたい人が求められていると言えよう。よって面接では主体的に考え、行動し、何かをやり遂げた経験・新しくチャレンジした経験・双日の考えに賛同しているかどうかなどが聞かれると思われる。
中期経営計画:事業や人材を創造し続ける総合商社
→2030年までにマーケットニーズや社会課題に応える価値(事業・人材)創造を通じ、企業価値を向上していくことを目標としている。またその実現に向けて、競争優位性・成長性の追求を徹底することをはじめとし、マーケットインの徹底・共創共有の実践・スピードの追求・組織人材のトランスフォーメーションを行っていく。
ニュース(会社四季報2023年秋参考)
・自動車部門は豪州で中古車、北欧ではEV販売が売り上げに最も貢献
・LNG(液化天然ガス)も堅調で、肥料部門はタイでの販売が促進している模様
・石炭市場が大幅下落、ゆう語句での景気回復が遅れ、化学品事業が後退
☆フィンランドのベンチャー企業に出資し、CO2発生の無い次世代型水素事業に参画
※競合他社比較
・伊藤忠商事
→非財閥系で繊維や食料など生活消費関連を中心とした非資源分野に強く、安定的な収益基盤を作っている。ちなみに非資源分野においての収益は5大商社中No.1。2020年には商社史上初の株価/時価総額No.1になった実績もある。
・三菱商事
→総合力に強みがあり、売り上げは5大商社No,1
非資源分野では生活産業(鮭やマスの養殖、ローソンなど)及び機械に強みがある
今後は非資源:資源の割合を7:3にしていく模様
・三井物産
→収益の6割以上が資源分野、特に鉄鉱石など、金属資源に強みを持つ
安定性に欠けるため、基盤としてヘルスケア・モビリティ・アグリカルチャー領域の投資に積極的になっている
・丸紅
収益の約8割が非資源事業で、電力事業と穀物事業に強みがある
2013年には米国穀物の大手ガビロン社を買収している
5G、ブロックチェーン、ヘルスケア事業などの新領域にも注力を注いでいる
・住友商事
→収益の約8割が非資源事業で、メディアデジタル事業に強みを持つ
また、リース事業にも強く、オートリースは国内最大手、航空機リースは管理期待数世界3位
ICT、ヘルスケア、社会インフラに今後注力予定
予想
先にも述べたように、他の総合商社と比べて海外売り上げが高いこと、資源分野(とくに化学や鉄鋼、LNGなど)に強みを持っている他、非資源分野(自動車事業や食品など)にも力を入れている会社である。また、新たな価値提供を達成することと共に「人」も重視していることが特徴である。繰り返しにはなるが、自発的に考え、行動し、最後まで成し遂げられるエピソードなどが他の商社よりも好まれるのではないかと考える。また、どの会社でもそうだが、総合商社各社はどの企業も自社の理念を非常に重視しているため、双日のどの考えに賛同しているのか、それに伴い自分が双日で何を成し遂げたいかを明確にする必要があると言えよう。
※現に今年の秋版の会社四季報内で、冷凍マグロの加工会社を新たに買収したことなどが記載されている