とある国公立大生の話

僕は運動音痴だったけど小さい頃から勉強だけは良くできた。ほぼ母親の言いなりで某名門男子中学の受験を決め、小4から毎週月・水・金・土は隣の市のターミナル駅の駅前にある大手の中学受験塾に通うことになった。学年が上がって塾に通う日が増えるにつれ、それまで親しく遊んでくれていた友達からの誘いも次第に断るようになり、放課後は公園にたまって3DSで妖怪ウォッチをプレイする彼らをよそ目に塾へと急ぐ日々が増えた。そんな猛勉強の甲斐もあって第一志望の難関中学に合格。入学後はそれまでの我慢を発散させようと、同じ学校の同級生と放課後にカラオケに行ったり、部活の先輩に焼肉やラーメンを奢ってもらったりしていて、それはそれは楽しい男子校ライフを過ごしていた。しかし、高校に上がると次第に大学受験を意識する機会も増え、今度は大手の大学受験予備校へと通うことになった。小学校低学年だったあの時「じゃあ今日は俺の家でマリカーやろうぜ‼️」と無邪気な笑顔で誘ってくれた彼がインスタのストーリーに「3 months」と筆記体で書かれた匂わせ画像を上げているのを、監視用に作った捨て垢で覗き見しながら予備校に通う日々。もちろん年頃の男子である。異性に興味が無い訳ではない。しかし中学校3年間を男子ばかりの環境で過ごした影響は想像以上であり、予備校の同じクラスで他校の女子から「すいません、消しゴム学校に忘れちゃったみたいで...🥹よかったら貸して頂けませんか...?🥺」と言われただけでも「あ、あ、は、はい...ど、どうぞ...」とテンパるばかり。「女性」という存在が、なにか人間ではない、別の生命体に思えて仕方がなかった。そんな生活を続け、迎えた共通テスト本番。難化したこともあったが、791/900とまずまずの成績だった。これなら判定が著しく悪いといったことは無いだろう。「マークミスさえしてなければイケる」その確信が僕にはあった。結局、2次試験本番でもオープンや実戦で出題された問題の類題が出されたといった幸運もあり、最後の科目が終わる頃には確かな手応えを感じていた。3月10日になって自分の番号が合格者番号一覧の中にあることを確認した僕は、来月から始まる大学生活に胸をときめかせていた。「これまでさんざん我慢したんだし、大学入ったら可愛い彼女を作るぞ〜💪」と意気込んでいた僕だったが、その幻想は入学後早々に打ち砕かれることとなる。サークルの新歓に行っても先輩や同級の新入生の女子とまともに会話できない。クラス会でも女子相手には目も合わせられないほどキョドってばかり。第二外国語の授業でも、たまたま隣に座った女子とペアワークを組まされた日には、それまで発音できていた簡単な単語の発音すら吃ってしまうほどに緊張していた。『あぁ、あの時ちゃんと『消しゴム?全然貸すよー!笑てか、どこ高校なの〜?』くらい言って、勇気を出して自分から会話を広げたりしてたらなぁ〜』と、予備校という女性への苦手意識を男子校生が払拭することのできる唯一の環境に通っていたにも関わらず、その恩恵に与ることができなかった高校時代の自分を恨んでも後の祭り。下宿先のアパートで、隣の部屋に住む黒髪センターパートの私立大学文系の大学生が毎日違う女を🔥で物色しては部屋に連れ込んで営んでいる中、わずかに50cmほど壁で隔たれた隣の部屋で今夜もネットの海に転がっている"良質な"動画を探す。「この差はなんなんだ‼️僕は天下の△大生だぞ‼️‼️」と心では感じつつも、隣の部屋の彼が勝ち組で自分は負け組という現実は変わらないことに屈辱と虚無感を覚える。街に出てカップルが目につくと「しょーもない男女同士でくっついてアホみたいやな😂」と心の中で虚勢を張り、帰宅してはX(旧Twitter)やDttoで学歴をひけらかして束の間の悦に浸る。最近では、同じ2月25日・26日に自分と同じ会場で△大を受け、僅差で落ちて名門私立大学に行った中高の同期がインカレサークルで彼女を作ったという話を聞き「所詮あいつは△大に落ちたやつなんだよ🤣彼女ができようと△大生の俺の方が上に決まってる😌」と薄汚い考えで劣等感と恋愛コンプレックスに塗れた自分を慰める日々。 みなさんもこうならないように勉強だけでなく恋愛もほどほどに頑張りましょう💪😓
LikeHaha
29
7 comments