オルテガ
大部分の科学者は、自分の生とまともにぶつかるのが怖くて、科学に専念してきたのである。
彼らは明晰な頭脳ではない。
だから、周知のように具体的な状況に対して愚かなのである。
現代文明の根源であり象徴である近代科学は、知的に非凡とは言えない人間を暖かく迎え入れ、その人間の仕事が成功することを可能にしている。
物理学においてやらなくてはならないことの大部分は、誰にでも、あるいはほとんどの人にできる機械的な頭脳労働である。
科学の無数の研究目的のためには、これを小さな分野に分けて、その一つに閉じこもり、他の分野のことは知らないでいて良い。
方法の確実さと正確さのおかげで、このような知恵の、一時的、実際的な解体が許される。
これらの方法の一つを、一つの機械のように使って仕事をすれば良いのであって、実り多い結果を得るためには、その方法の意味や原理についての厳密な観念を持つ必要など少しもない。
まぁ間違っちゃいないけどね